和也からの電話で何もかもが狂った。
雅紀には弱いところは見せないようにと思っていたのに・・・。
++2つの扉(3)++
あれから私はすぐに雅紀に家に引き返した。
インターホンを鳴らすと雅紀はすぐに出てきた。
驚いた顔をして・・・。
『ぇっ・・・・!?』
「雅紀・・・;;」
『ちょっ・・・・どうした?』
「私・・・・;;」
『と・とにかく中入れって。』
「ぅん・・・。」
そしてさっきまでいた部屋にもう一度・・・・・・。
『で、どうした?』
「えっと・・・・・私ね・・・・・。」
『ゆっくりでいいから・・・・。なっ?』
「ぅん・・・。私、さっき雅紀の家出たときに着信があったの。」
『うん。』
「・・・・元彼の和也からだった。」
『・・・かけなおしたのか?』
「・・・・・・ぅん。」
『・・・なんだって?』
「今から家に来いって・・・。」
『・・・。』
「でも、もう和也のとこにはいけないよ・・・。」
『・・・・・はさぁ、なんで売り・・・してるの?さっきは「別に」っていったけど、なんかあるだろ?』
「・・・・・・・あのね・・・?」
和也と付き合ってたころ、和也はあんな人じゃなかったのに・・・。
付き合ってたころに和也の子を身ごもった私に、
和也は即「おろせ」って言った。
それを断ったら別れを切り出された。
和也にとって私はただの道具・・・自分の快感の為の道具だったのかもしれない。
今はもう中絶した。和也の子・・・いても仕方ないから。
親が・・・父親がいないなんて辛い思いはさせたくないから・・・。
それから私は誰か一人のものにならずに・・・・売りをやってる。
でも、それを知った和也は・・・・また私を求めるようになった。
始めは呼び出された意味がわからず和也の家に行ったけど・・・
結局はそういうことなんだって・・・。
それからは一度も和也の家には行ってない・・・。
なにもかもが怖くて・・・・和也が家に来いって言うだけで体が強張って・・・。
『そっか・・・。』
「・・・・・・ぅん。」
『は・・・・その、和也って奴のこと本気で好きだったの?』
「ぅん。」
『そっか。・・・・・まぁ、もう俺いるじゃん?』
「ぇ?」
『・・・・駄目?』
「そんなことないけど・・・・。」
『誰か一人のものにはならない・・・・・でしょ?』
「・・・・・ぅん。」
『それでもいいよ。俺の相手してよ?』
「ぇ?」
『だって、誰か一人のものにはならなくても、一日だけ俺のものにはなれるでしょ?』
「・・・ぅん。」
『おいで?』
雅紀の腕に抱かれ・・・・・・
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おぉっと!そろそろウラ発動!?笑
次回は、やっとウラになりそうだわ・・・。
莉衣 2004,5,28